一般曹候補生とは?自衛隊入隊を希望するなら知っておきたい5つの事
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最近、国会での議論や震災などを通じて「自衛隊」という組織の存在や活動を改めて認識する機会が多いように感じます。
自衛隊とは、憲法9条に基づき、日本の平和を維持すべく国を守る目的で設置されている組織です。
また、東北の震災や常総の河川氾濫などの際の自衛隊の救助活動は非常に素晴らしいものでした。
実際に身近でその活動を見た人は、きっと大きな感謝と心強さを感じたのではないでしょうか。
そんな自衛隊の一員となり、日本を守りたい、と憧れを抱いた人も少なくないはずです。
しかし、いざ入隊しようと思っても
「専門の学校に通わなきゃいけないのかな?」
「成績が良くないと入れないのでは?」
と、どう動いていいかわからない方も多いと思います。
そこで今回は、防衛大学などの特別な学校に通わず、一般的な大学や高校を卒業してからでも自衛隊に入隊できる【一般曹候補生】についてご紹介いたします。
一般曹候補生って何?
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【一般曹候補生】とは、自衛隊へ入隊し、将来「曹(下士官)」となるために訓練を受ける「非任期制隊員」のことです。
自衛隊に入隊するためには、まず一般曹候補生になる試験を受けます。
応募資格は、18歳以上27歳以下の男女となっており、試験に合格し採用されると、その3か月後に2等陸・海・空士に任命され、各地の自衛隊に配属になります。
一般曹候補生の任期はとても短く、陸上自衛隊に配属になると1年9か月、海・空自衛隊に配属になると2年9か月で任期満了となるのです。
任期が満了すると、退職するか継続するかの選択があります。
これは一般企業で言うことの契約社員のようなもので、自衛隊は自分には合わないと感じた人は、1期で辞めることも可能なのです。
一方、曹・幹部への道ももちろん開かれており、試験を受け、合格することで昇進していくことができ、終身雇用も約束されます。
自衛隊に入隊すると、大型免許など様々な資格の取得もすることができますし、午後5時以降や休日の外出もでき、自由な時間も保証されています。
1任期修了後に、自衛隊として継続勤務するのか退職するのかを選択できるという点でも、自分の将来と照らし合わせて最適な選択をすることができるでしょう。
というのも、自衛隊という職業は生半可な気持ちで勤まるものではありません。
志願で入隊してくる私たちに可能な限りの選択肢を与えた上で、これからも我が国を守っていく組織としてきちんと成り立つ人材を求めているのです。
一般曹候補生の試験倍率及び合格率は?
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【一般曹候補生】試験の倍率・合格率とはどの位かを調べてみました。
自衛隊には陸・海・空、大きく分けて3つの隊がありますが、基本的にどの隊も倍率は10倍を超えます。
その中でも、男子に人気の航空自衛隊の競争率は毎年非常に高いです。
また、女子の場合は各隊20倍もの倍率になっており、一般曹候補生はかなりの難関なのです。
合格率に関しても、倍率が高い分、非常に低くなっています。
合格基準としては、学力だけではなく、体力も見られますので、合格するためには勉強はもちろん体力づくりにも力を入れなくてはなりません。
「勉強ができれば合格できるだろう」「体力には自信があるから大丈夫だ」などと、自衛隊の試験を甘く見ているようでは絶対に合格はできません。
文武両道はもちろん、自衛隊の基礎知識や一般常識もきちんと身に付けた上で試験に臨みましょう。
国を守る一員となる優秀な人材を、多くの受験者の中から洗練して選抜しているのです。
一般曹候補生になるための筆記試験~国語編~
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さて、自衛隊に入隊するためにはまず【一般曹候補生】にならなければならず、その試験の倍率は非常に高いことはわかりました。
では一体、そんな難関の筆記試験で出題される問題はどんなものなのか、気になりますよね。
有名大学の試験のような難題が出題される、なんてことはありませんのでご安心ください。
一般曹候補生の筆記試験、まずは国語から出題内容の傾向をご紹介します。
基本的に、漢字の読み書き、四字熟語の読み書き及びその意味、文学に関する知識やことわざの意味などが出題されます。
対策としては、過去の問題集を使って様々な問題を解いておくことが重要です。
国語は、中学レベルの問題がほとんどで、5択のマークシート形式のため、比較的高得点を狙いやすい教科ではないでしょうか。
また、様々な語句や言葉の意味、一般常識などを同時に学べるのが「読書」です。
読書は、試験に向けてだけではなく、合格した後も(合格できなかったとしても)日ごろから積極的に取り組んでおきたいことでもあります。
一般曹候補生になるための筆記試験~英語編~
【一般曹候補生】の筆記試験のうち、続いては英語に関してご紹介します。
年々国際化の一途をたどる日本において、英語は他教科に比べてもその重要度の比率は高くなっています。
自衛隊の試験に限ったことではありませんが、今やどの分野に進むにも英語の試験は必須です。
まず、受験の際に必ずと言っていいほど出題されるは、「発音とアクセント」に関する問題です。
いわゆるカタカナ英語と呼ばれる英単語は、実際の発音と全く異なる場合がありますよね。
そのため、普段からカタカナ英語の本当の発音とアクセントを意識し、チェックしておくと良いでしょう。
また、問題は高校レベルのものがほとんどなので、高校で使われている教科書や文法書・参考書などを参考に勉強しておくことがおすすめです。
発音・アクセント問題のほかにも、文法問題や並べ替え問題など、知識問題も出題されるので、しっかりと対策しておきましょう。
一般曹候補生になるための筆記試験~数学編~
【一般曹候補生】の筆記試験における数学の問題は、高校1年生レベルのいわゆる数Ⅰと呼ばれる範囲からの出題がほとんどです。
計算問題、不等式、二次関数、図形などの問題が主に出題されます。
しかし、若干ではありますが数Ⅱの範囲からも出題されることがありますので、チェックしておいて損はないでしょう。
対策としては過去問集や、高校一年生の数学問題集を1~2冊ほど解いておくことをおすすめします。
また、試験の倍率が非常に高いことから、計算ミスなどのもったいない失点がないように気を付けましょう。
数学は、問われている問題を正確に理解し、その中から正しい答えを導かなければいけません。
問題を間違えて把握してしまえば、その答えも必然的に正しいものにはならないのです。
自衛隊では、瞬時の判断力や理解力、問題を解決に導くための思考能力も必要になってくるため、その点でも数学は重要な審査基準になってくるのではないでしょうか。
まとめ
自衛隊への入隊を目指すあなたに、【一般曹候補生】についてご紹介いたしました。
上記の筆記試験の他に、作文や面接、身体検査などもあります。
私たちの安心と安全を守ってくれる自衛隊。
だからこそ、その門は非常に大きくもあり、狭くもあります。
多くの人が、自衛隊に憧れ、国や自らの生活を守りたいと思うことはとても素晴らしいことです。
しかし、それを担うことは誰にでもできることではありません。
そのために、厳しく倍率の高い試験を重ね、自衛官は選抜され昇進していくのです。
これからも、守りたい人のために活躍する自衛隊が国を守っていってくれることを願いたいですね。
↓↓ 自衛隊の主な仕事に関してはこちらの記事をご覧ください。
【今だから知りたい!自衛隊ってどんな仕事してるの?(前編)】
【今だから知りたい!自衛隊ってどんな仕事してるの?(後編)】